カウンター

黒幕


榎本は真っ暗な部屋の中心で、彼にだけライトが当たるような位置取りで椅子に座ってこちらを見ている。

「おお? ここにリンクがあることに気づいたか。なかなか見所があるじゃねぇか。しかしな、ここに以前あったデータはもう別の場所に送っちまったぞ。元々はこのデータにあるように更新されてく予定だったんだが、あまりにも先が長くてまどろっこしくてな。号外っつー形でじゃんじゃん更新していくことにしたっつーわけだ。だからここにあったデータはそのうち号外の中に出てくる。それまでここにリンクがあったことは忘れたほうが身のためだ。まぁ、そーいうわけでわりぃけど早く出てってくれるか? おれぁまだここでアレと話があるんだ。今回の騒動の黒幕は全部アレだからな。落とし前はつけさせてもらうさ。おっと、話過ぎちまった。じゃ、そういうことで」
ライトが消される。

微かに揺れる振動だけが部屋に残された。


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