設定資料&用語
私が勝手に妄想を膨らませた設定をつらつらと書きなぐっていくだけのページです。 あくまで妄想なのでかなりフリーダムな内容になりますが、それでもまぁコメントしてやろうという心優しい方は メールフォームから連絡ください。<注意!>このページは当HP内のSS内容のネタバレを多分に含みます!ご理解の上閲覧ください
- 伊里野の手首の金属球
- <概要> 伊里野の手首に埋め込まれた謎の金属球。 使用する表現は四巻にてエレベータの起動を促す場面のみ。手首を振ることで発動していたが、その動作の必要があったかは不明。なめると電気の味がするとは伊里野本人の談。アニメでは手首の金属球が光を放ち、伊里野が浮いているような表現がOPであったが、詳細は不明。第三話ではブラックマンタで飛行中のコックピット内が映し出され、手首の部分が光っているようにも見えるが、操縦桿が付属されている機械が発光しているようにも見えるため、判別は不可能。学校生活など一般人の目に入るような場所ではリストバンドをして隠している。 <設定と背景考察> 作品のシンボル的なものだと勝手に思っています。伊里野の外見的特徴の一つです。この金属球も他の謎と同様に最後までなんの用途があるか明言はされていません。 伊里野本人がこれを発見した浅羽に対して, 「痛くないから」 と告げたことから、生来生まれ持ったのではないモノが手首に埋まっている異質さを伊里野は理解していると私は解釈しました。 伊里野の言葉を捕捉すると「ここにこんな金属球が付いているのは普通じゃないよね、でも埋め込まれてるからって"痛くないから"」という考えです このことから、金属球はブラックマンタのパイロットが後天的に付けられたものではないかと推測しました。 さらに伊里野はなめてみると電気の味がすると浅羽に伝えます。 電気の味というものがどんなものなのかは私は知りません。なんとなくそんな味がする。という程度の認識をしています。ただ、学術的にみても食物に電気を与えることで味が変わるという実験があるのなら、電気に味が含まれているというのも絶対にないわけではないのかなぁと思ったり。 話を戻しますと、この「電気の味」という言葉から私は本編のシーンを2つ思い出しました。 一巻、正しい原チャリのシーンがまずひとつ。浅羽と伊里野が映画館に向かう場面ですが、その2人を監視している榎本が部下たちに告げた一言。 「浅羽の虫に信号を飛ばすな。伊里野に一発で気づかれるぞ」 一部省略しましたが、この言葉に疑問が浮かびます。どうして浅羽に信号を飛ばしたら伊里野に気づかれるのだろう、と。 次に、4巻 南の島で浅羽の到着を榎本が無線機を通して伊里野に伝えたシーン。 「きん、という高音。榎本の手の中にある無線機が煙を上げ始める」 1つめのシーンを見てからこのシーンを並べると、伊里野は電気信号、電磁波などそういった類のものを感知、操作できるのかなと想像しました。2つめのシーンではさらに伊里野が左手を振るだけでエレベータが起動する場面へとつながります。 私はある仮説を立てました。 伊里野には電気を操る力がある。これが特殊なESPかどうかは断定できない。しかし、となりにいる人物に信号を飛ばせばそれを知覚することができる。つまり伊里野本人の周囲にも特殊な磁場か何かが発生している、もしくは発生させることができる。この機能が備わっているのは偶発的でなければ、外敵から発信機などによりトレースされるのを防ぐ必要が伊里野にはあるから。さらに無線を壊したり、エレベータを起動したりすることができる力がある。この二つの操作には全く別の力が働いている。無線を壊すのは過剰な電気信号を流せば可能。しかしエレベータを起動させるのは簡単な操作ではなく、微妙な調整が必要になるはず。それができるほど、巧みに電気を操れるのではないだろうか? 金属球はその力のブースター、あるいはコンバータの役目を果たしているのではないか。 この能力を使うことで、ブラックマンタと14機のダミーと27機のミサイルキャリアを遠隔操作しているのではないだろうか。 神経系に特別な処置が施された子供がパイロットであるという設定もあいまって、神経に処置を施すことで脳からの電気信号を増幅や変換しているのではないかという仮説です。 これらの仮説より当HP内では以下のように設定しています。 ・手首の金属球は電気あるいは電磁波のようなものを操作できる。 ・電磁波の操作能力は遺伝子操作により後天的に与えられたもの。 ・脳内の電気信号に起因するため、伊里野の精神状況により強弱が発生するデメリットがある。 ・気分の高揚など精神に一定以上の影響が出ると鼻血など身体的に負荷が発生する。限界を超えると血を吐く。伊里野が鼻血を出していたのはこの能力の影響と、薬による影響との2つの理由から。 ・伊里野の身体の周囲には磁場のようなものが半径2mの範囲で常時展開されている。 ・金属球が作動すれば機械の作動、コンピュータの破壊も可能。 ・ブラックマンタの重力飛行に必要。これがあればダミーやミサイルキャリアの遠隔重力飛行が可能。 ※これらは本編中の伊里野の設定です。帰還後の伊里野はこの機能の大部分を失っているため動作しない能力が多い。この能力の復活はほぼ絶望的。 という設定です。 さらにこの電磁波操作の能力が伊里野の健康診断に関わっていた、という設定もありますのでそれは別項目で紹介します。 それにしても、浅羽です。 彼はよく生きられたなとつくづく思います。 四巻夏休みふたたび後編の場面ですが、コンビニに入った浅羽と伊里野が買い物をしにコンビニによります。2人が店に近づくと突然店のスピーカーが激しくノイズを出して、店を離れると正常に機能するようになりました。これを私は伊里野の認識能力の欠如により、金属球の電磁波操作能力が暴走して起きた出来事だと考えています。伊里野の鼻血が止まらなくなったのは上記の能力の暴走と共に精神状況が不安定になり、身体的負荷がかかっていたからではないでしょうか。 伊里野自身のみならず、離れた場所にある無線機を壊すこともできる力です。隣にいる浅羽の体に影響がないと断言することはできないはず。そういう意味で浅羽はよくあの逃避行をなんの影響もなく過ごせたな、と。
- 浅羽の記憶障害
- 記憶障害と聞けば誰しもまず浮かぶのは伊里野の記憶の退行だと思います。 しかし記憶の問題は浅羽にも起きています。 第一巻浅羽と伊里野が出会った日、彼は記憶障害を起こしています。 伊里野と出会い、プールを出て、黒服達のバンに乗ってTシャツを着た時点で記憶が途切れています。 この後、浅羽は自宅近くのバス停で目を覚ましますがその記憶の欠落があったのは数時間と記載されています。 正確な時刻は小説とアニメで別々に表されています。 浅羽が園原中学に着いたのが8時5分と小説で記載。伊里野との水泳を終え、黒服達と遭遇したのが9時15分とアニメで表現され、バス停で目が覚めたのが深夜2時10分と小説で書かれています。 浅羽が記憶を失っていた時間は5時間です。この期間の全部が軍に拉致されていたわけではないと思いますが、それでも5時間です。バス亭で眠っていただけの可能性もありますが、なぜ記憶を消したのはこの5時間だけだったのか。それは本当に覚えていてほしくないことはこの5時間の間に行われたから。 軍が浅羽に行った行為で確定していることが2つあります。 1つは記憶の操作と読み取り。 2つめは浅羽に電池虫と電波虫を入れること。 この2つです。浅羽の記憶が読まれていることとして、妹の夕子と小6まで一緒に風呂に入っていたことが榎本の口から挙げられています。さらに浅羽の自転車のチェーンロックの鍵を開錠されていたことから記憶は読まれていた。※後者は本音を言うと不確かです。軍の連中ならばチェーンロックなど開錠する間でもないことかもしれませんし。ちなみに防犯の都合上ここでは明記しませんが、私は横に4つか5つつの数字でロックするタイプの鍵ならその70%近くを1分以内に開錠する方法を知っているので、記憶を読むほどのことではないかもしれません。 話を戻すと、小6と言えば浅羽が現在中2なので少なくとも2年近く時間は過ぎています。 この期間もすべて見たのか、それよりも遥か昔も見たのか、それとも一定期間の記憶を読み取っている間に風呂のことが浮かんできたのかはわかりません。 2つめ、浅羽に虫を入れたことについて。 おそらくバンの中で虫を入れたわけではないでしょう。 私の予想としてはバンで浅羽は軍の施設に運び込まれました。そしてまずミストカクテルを使われます。そして記憶の読み取り作業に入り、その後虫を入れる手術をします。最後に浅羽をバス停に連れて行き、この間の記憶をすべて消去して開放した。 という流れだと思っています。 電波虫と電池虫を体内に入れることもとても危険なことのようです。作中の表現を使うのなら「虫が当たってるんならとっくに死んじゃってるはずだから」 危うい所です。浅羽は偶然プールに行っただけで殺されるところでした。 と、そんな危険な方法を榎本がした理由。以下作中で起きた事実の予想を書きます。 榎本は伊里野の口から「好きな人が、できたから」と聞く。 ・浅羽を子犬作戦のターゲット=パピーに決定。 ・大前提として、浅羽が北の工作員のように、危険な存在かどうかを調べないといけない。 ・そのためには記憶を読み取る必要がある。 ・記憶を消すだけならミストカクテルを使えば黒服も含めた軍内部の人間なら可能。 ・しかし記憶の読み取りにはミストの通常使用料を超えて使用しなければならない。 ・伊里野を別の車で基地に向かわせる。 ・浅羽を眠らせ、園原基地に連れて行く。 ・連行中、榎本は電波虫と電池虫も入れる必要が判断する。 ・浅羽を失うことは絶対に避けないといけない。 ・敵のスパイに利用されるような状況に陥ることも想定される。 ・随時浅羽の状況を捕捉する必要がある ・電池虫は体内の血中の養分を電力とする機能がある。 ・浅羽が死ねば電池虫が停止し、浅羽の生死が判断できる。 ・浅羽が死んだ場合は伊里野にはその事実を隠さないといけないので早急な対応が可能になる。 ・電池虫は深いところに入れないといけないので手術が必要。 ・浅羽を基地に連行し、ミストを過剰な摂取量を投与。 ・記憶の読み取り作業中に風呂に入っていた記憶を視る。 ・手術開始。虫を入れることに成功。 ・浅羽をバス停にまで連行し、その間の5時間の記憶を消去。 ・結果浅羽は虫を入れることと、ミストの過剰摂取=オーバードース状態に。 ・次の日浅羽はミストのオーバードースの副作用で保健室行き ということではないでしょうか。 番外編「それ以外のことについていえば」で軍のスパイ、「イズミ」が主人公町田一輝の記憶を消すのに使った無色透明な液体もおそらくミストだろうと見当をつけています。
- バンディット
- 3つめの妄想はブラックマンタチーム「バンディット」のことです。 まずこの場を借りて謝罪したいのですが、私の書いた小説の中では伊里野以外のパイロットの名前が当然のように出てきます。ジェイミー、ディーン、エンリコ、エリカがそれにあたります。実はこの名前、本編の小説4巻までに登場するのはジェイミー、エリカの二人だけです。ディーンとエンリコは出てきていないのです。 では出典はというと「オフィシャルイラストレーションズ」に載っている「グラウンド・ゼロ」からです。 つまり、これを読了していることが前提になっているということです。まったくそれに触れていない方には不親切な作品となってしまい申し訳ありません。 イラストレーションズ、及びアニメでは彼らの容姿も含めて表現されているので列挙しておきます。 ディーン:金髪。チームの中ではリーダー格?ジェイミー墜落地点捜索でも仲間を先導する。最年長。 エンリコ:褐色の肌の青年。カウボーイの帽子をかぶるなどの表現から気さくな性格だろうか? エリカ・プラウドフット:伊里野と特に仲が良かった。生前はおとなしい性格。エンリコとの年齢差は不明 伊里野加奈:本編のヒロイン。ブラックマンタ3号機のパイロット ジェイミー・ザッカリー:容姿などの描写一切なし。いたずら好き? 最年少だがチームの中ではエースと呼ばれる実力を持つ。 パイロットにはそれぞれに死因がありますが、それが明らかにされているのはエリカとエンリコのみです。 エリカは伊里野に撃墜されて死にました。 エンリコは拳銃を使っての自殺です。 しかし、他の二人。ディーンはパイロットの中で「最初の戦死者」であることを除いて情報はありません。 ジェイミーは墜落事故を起こして死亡していますが原因は明記されていません。 これが原作で示されたパイロットの情報です。 ブラックマンタのパイロットである伊里野は軍内の仲間からはバンディット1-3と呼ばれています。 物語の進行上、伊里野以外が生き残っていないため、その呼称が重要視されることはありませんでした。 しかし私の作品では他のパイロットに焦点を当てることもあるので、こちらで説明できたらと思いました。 伊里野はバンディット「1」の3番目。ということはバンディット2チームがあるのか。ということになりそうですが、伊里野以外に生き残っているパイロットは存在しないという言葉から、少なくともブラックマンタのパイロットチームはいない、という結論を出して小説を書いています。 では他のパイロット達の番号は?、という点です。 伊里野は言うまでもなく3号機のパイロットです。 そして4号機は原作2巻に明記されています。 伊里野が公園で浅羽に仲間のひとり、ジェイミー・ザッカリーが死んだ時の説明にあります。 その他のパイロットの番号は私の推測で考えていますので根拠はないに近いです。 単純にディーンは最年長であることから1号機と捉えています。 2号機と5号機はどちらがエンリコで、エリカなのか。 エリカが5号機だと私は考えています。 根拠は、原作4巻「最後の道」でエリカは13歳までは他のパイロットとは違う場所にいたという記述からです。エリカは13歳になって初めてネバダに来た。それはパイロットチームに最後に参加したということになるのではと考えたからです。 という薄い推測だとは思いますが、パイロットチーム「バンディット」の考察なのでした。
- 伊里野の健康診断
- 伊里野は常に危険な健康状態である。 これは原作を既読の方は既にご存知のことだと思います。 彼女は普段から薬を常備していたこと、鼻血を出していたこと、血を吐いたこと、一時的な視覚障害に陥ること。列挙するとしてもこれぐらいがすぐ浮かびます。 そこで浮かぶ疑問。 そんな健康状態であるにも関わらず、学校生活を送れていたのはなぜなのか。 ある意味で外部の人間を遮断する環境である学校で伊里野の体調の変貌をどうやって把握していたのか 以下は私の想像が多く含まれています。 伊里野の健康状態を把握する方法を学校側に用意する。 ①椎名真由美を保険教諭として配置することで緊急時の対処法を把握している人物を学校に配置した。 ②伊里野の健康診断を可能とする特殊な電話機を学校の公衆電話として配置した。 伊里野が学校に来ることが決まってから、園原中学及び、近辺で変わったことと言えば、まずはバス停です。 水前寺が2巻で述べている通り、伊里野はバス通学です。そしてその通学路にバス停と電話付きの待合所がばかすか新しく建っている。という記述があります。これは水前寺も述べている通り、夏休みの少し前まではそんな路線もバス停も待合所もありませんでした。伊里野のために作られたのは明白です。ここで考えることが。 伊里野の体調はいつおかしくなってもおかしくはない。もしバスに乗っているときに体調が変異したらどうなるか。少なくとも揺れる車内でいるよりかはどこかで止まって寝かせられる状況がベターとなるはずです。では走行中に止まり、降りてすぐの場所に寝れる場所というのは、街中を探しても以外に少なかったりします。 さらに伊里野の乗るバスは市内から少し離れた園原基地へ向かうルートです。その過程で都合よくベンチはありません。ではどうするか、寝られる場所を作ろう。さらにすぐ連絡が取れるように電話も必ず設置しよう。という流れがあったのではないでしょうか。さらに設定として、園原市は数年前から携帯電話の所有が制限されています。資格を持たなければならないようになり、市民が携帯を一人一台持っていた時代は過去のものとなった経緯があります。つまり、伊里野がバスに乗り、体調を崩したとしても一般市民は即救急車を呼んだりすることができないのです。ならば近くに公衆電話があり、横にすることができる待合所があれば2つの問題を解決することができます。 このようにいくつかの問題を解決するためにバス停や電話付きの待合所をばかすか建てたのではないでしょうか。 ちなみに伊里野のバス通学についてですが、おそらく当初は伊里野は軍の人間が運転する車に乗って登校することが提案されたはずですが、榎本辺りが「黒服の怪しい奴らが毎日送迎なんかしてみろ、目立ちすぎていじめの対象になるかダチなんて一人もできないに決まってんだろーが」とかなんとか言って配慮していたのではないでしょうか。これは完全な想像ですが、彼なら言いそうだなと思っています。 そして学校とも共通している点が1つ。 電話です。伊里野は午前と午後の二回、必ず電話をします。 浅羽が伊里野のグレーカードを盗んで電話を使用したところ、現在の哨戒任務の状況がコールされました。 これは当然ながら、パイロットである伊里野に現在の作戦状況を把握させることで現場の情報を逐一確認する目的であることがわかります。しかし、私はそこでもう一つ可能性を考えるきっかけを原作を読み直していて気づきました。 榎本が伊里野を電話を理由に殴ったことです。 3巻にてボウリングをクラスのみんなですることになった伊里野は軍への電話を怠りました。 その後榎本がボウリング場に現れ、伊里野に対しての最初の発言は"なぜ電話をしなかった"というものでした。 ここで疑問が浮かびました。なぜ伊里野が電話をしなかっただけで大切なパイロットを殴ってまで連れ戻したのか。 電話の内容は哨戒任務の内容確認。それだけなら、何も起こらなければ問題はありません。もし万が一の状況があったとしても、学校側に電話をし、いつもの通り佐藤や鈴木を名乗って伊里野を呼び戻せばいいわけです。 作戦状況の把握以外になにか目的があるのか、と感じました。 そして伊里野が殴られた次の日、髪の毛が真っ白になって登校してきた伊里野を見て気づきました。伊里野は殴られ連れ帰られた後、体に異常をきたしたのだと思っていました。しかしそれは逆なのではないか。体に異常をきたしていたからこそ、殴ってでも伊里野を連れ帰る必要があったのではないか。 軍の罰刑だと考えた時期もありましたが、伊里野の重要性を考えたとき、それはありえないと感じました。 伊里野を罰することで得るものは、言うことを聞かない部下への折檻で得られる愉悦のみです。榎本たちがそんなものを望んでいるようには私には思えませんでした。 伊里野は殴られた次の日、登校します。しかしこれは懸命な伊里野の希望で叶えられた登校だったのではないでしょうか。軍側としては必ず伊里野を止めたはずです。髪の毛に異常が出るなど少なくとも今まで起こったことのない事態です。現に伊里野は登校してすぐ校内放送で呼び出されます。クラスのみんなに心配ないって見せないと、そういった伊里野の心境があっての登校だったのではと考えています。 話がそれましたが、つまり伊里野の午前と午後の電話にはなにか健康診断のようなものが兼ねられていたのでは、という発想が上記のことから導かれました。しかし、健康診断ならば伊里野側から何かが発せられなければ相手には伝わりません。電話が触診するわけではないですし、伊里野は電話口で何も話しません。何かの検査項目があったとすれば、伊里野から何か動きがあって相手に伝わるはずなのです。しかし浅羽と水前寺が見た限りではその動きはなかった。 なら、目に見えない何かで伊里野は情報を発信していたのでは、と考えました。 電話と言えば、電気信号を外部に発信することで通話が可能となります。私がこのページで書いた金属球の項目を既読の方ならお気付きになられたかもしれませんが、これが情報を送っているのはないかと判断しました。 金属球が果たす役目は電気信号のコンバータかもしれないと書いた理由はここにあります。伊里野の体内状況を血液や体温などからデータ化し、それを電気信号として電話回線に乗せて発令所に飛ばしているのではないか。そして発令所でデータを受け取った軍は伊里野の体調を診断し、必要ならば校内放送で呼び戻し、薬で対処可能なら伊里野が持つ薬で対処させるという方法をとったのでは。だから榎本はその健康診断を怠った伊里野になぜかと問いただし、それを怠ったせいで体が異変を来たし、対処しきれず髪の毛は真っ白になったのではないでしょうか。 もしこれが正解ならば、伊里野のいく先々で電話が用意されていることも理由となります。さらに伊里野のデータを送信することは公衆電話からすればイレギュラーな出来事です。電話信号とは違う電波が送受信されるわけなので、異変もきたします。だからテレカを飲み込んだり、不調になるのではないか。そして、1巻の伊里野と浅羽のデートでも異変の起きている電話の記述があります。夕子の視点からですが、伊里野は電話をし、そこに居合わせたパチンコ屋の店員はその公衆電話は異常があったと夕子に告げていました。伊里野は以前にもそこから電話をかけたことがあったのかもしれません。待合所に必ず電話があるのも、健康診断の側面があるためなのかもしれません。 以上のことから、当サイトでは以下のように設定をしています。 ・伊里野の体調は常に変動する。 ・軍は対処方として、学校には椎名を配属し緊急時に専門知識から治療法を実行できる手はずを整えた。 ・伊里野側から体調を報告させるため、公衆電話から伊里野の健康状況をデータ化して軍に送らせていた。 ・送られたデータを元に、鈴木や佐藤などと名乗り、伊里野を呼び戻したりしていた。 ・この校内放送には暗号の意味もあり、伊里野の体調のことなら佐藤、任務のことなら鈴木などとした意味もあった。 ・榎本が殴ったのは伊里野が自分の体調のことなのに、報告を怠るというある種自棄行為を行ったから。 ・伊里野の髪の毛が白くなったのは健康報告を怠り、体調の変化に軍が対応できなかったから。 ・その後の視覚障害も吐血もこの日の変調が原因。 ・後日談で学校の公衆電話が新しくなったのは伊里野の金属球が機能を失い、健康報告ができなくなったから。 ・椎名が学校を去ったのは帰還した伊里野の体調の改善が最優先であったから。 すべてが伊里野のための配慮、と考えているのは私だけかもしれませんが、そう考えると救われる気持ちになります。
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